30歳以上の女性4人に1人…よく耳にする「子宮筋腫」って何? 不妊&流産の可能性も? オトナンサー掲載

30歳以上の女性の約4人に1人にできるといわれている子宮筋腫。しかし、その詳しい症状や原因を知っている人は多くないかもしれません。婦人科疾患としてよく耳にする子宮筋腫は、種類も多岐にわたるため、正しい知識を得ておく必要があります。

子宮筋腫は「良性腫瘍」 不妊&流産の可能性も

Q.子宮筋腫とはどのような疾患なのでしょうか。

A.子宮筋腫は子宮を作っている平滑筋という筋肉組織由来の良性腫瘍です。小さなものも含めると、30歳以上の女性の4人に1人にみられます。がん(悪性の腫瘍)ではありませんが、貧血や痛みなどさまざまな症状の原因となります。筋腫は卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなり、閉経すると逆に小さくなります。複数個できることが多く、数や大きさはさまざまなのですが、大きさやできる場所によって症状が違います。

Q.どのような原因でなるのでしょうか。

A.子宮筋腫の原因は今のところ解明されていません。しかし、女性ホルモン(エストロゲン)の作用によって大きくなることがわかっています。女性ホルモンは初潮の頃から分泌されるので、その頃から大きくなり始めて、30歳以降に症状が出始めることが多いです。

Q.子宮筋腫になりやすい体形、体質、年齢などはあるのでしょうか。

A.初潮年齢の早い人、また出産経験がない人、妊娠回数の少ない人は子宮筋腫のリスクが高いといわれています。

Q.子宮筋腫の初期症状を教えてください。

A.初期症状は、過多月経、過長月経、月経痛、腹部腫瘤触知、貧血などがあります。子宮内に飛び出した筋腫は不妊症の原因になることがあり、不妊症が初期症状となり筋腫が見つかることもあります。

Q.子宮筋腫には「筋層内筋腫」「漿膜(しょうまく)下筋腫」「粘膜下筋腫」があるそうですが、違いを教えてください。

A.子宮筋腫は発生する部位により、『漿膜下筋腫』、『筋層内筋腫』および『粘膜下筋腫』に分類されます。粘膜下筋腫は、他の部位の筋腫に比べ、小さいうちから過多月経、過長月経、月経痛などの症状が出やすく、不妊症や流産も起こりやすくなります。漿膜下筋腫は月経痛、過多月経、過長月経などの症状はでにくいですが、茎部がねじれると激痛を起こすことがあります。



 

Q.子宮筋腫は良性の腫瘍ということですが、良性だからといって、放置しておくとどのような影響があるのでしょうか?

A.良性なので症状がなければ治療を急ぐ必要はありません。ただし、子宮筋腫が大きくなると周囲臓器を圧迫し、頻尿、排尿困難、便秘、腰痛などの症状が出現し、時には不妊や流早産の原因にもなります。子宮筋腫は閉経前までは大きくなり続けるので、閉経までに症状が出現する見込みがあるのであれば、治療を検討すべきです。

Q.子宮筋腫はどのように発見されることが多いのでしょうか。また、どのようなタイミングで子宮筋腫を疑い、初受診をすれば良いのでしょうか。

A.産婦人科でのエコー検査で発見するのが一般的です。その他には、別の病気の検査として行う腹部エコー検査や腹部CT検査などで偶然発見されることもあります。月経困難や過多月経、不妊症などの症状がある時や、婦人科がん検診を行うタイミングでエコー検査を受けると良いと思います。