シミ治療 ちょっと待って、その治療方法あってる? ②肝斑

さて、前回の炎症後色素沈着に引き続き、今回は肝斑についてみていきます。

 

肝斑とは

16歳以上に発症する顔面の色素斑で、頬骨部、前額部、口唇などに現れる。左右対称の場合が多いが、若干の左右差があることもあります。

女性に多く、髪毛の生え際のど有毛部にはできないことが多いです。

肝斑の原因は、完全に解明されていませんが、顔のこすり過ぎや、化粧品などの刺激で慢性の炎症性色素沈着が原因の一つと考えられています。

 

肝斑の治療

1.保存療法

積極的治療をせずに、じっと待つことを保存的療法と言います。

肝斑の主要な原因として、慢性の炎症が考えらえるので、最も大切な治療方法は炎症の原因を取り除くことです。

洗顔方法を変えたり、化粧を控えることで、改善する場合が良くあります。

2.トラネキサム酸内服

トラネキサム酸はシミ治療や美白目的に内服している人が多い、広く一般的に行われている治療方法です。

肝斑の治療方法としても効果が確認されています。トラネキサム酸は抗炎症作用を持つため効くのではないか推測されています。

3.ハイドロキノン外用

ハイドロキノンメラニン生成を抑制する薬剤として知られています。

ハイドロキノンはトレチノインと比較するとかぶれる頻度は少ないですが、思わぬ炎症や色素脱失などの副作用が生じることがあり、注意が必要です。

 

上記3つの他イオン導入やレーザー治療、ピーリングなどが行われることがありますが、いずれも皮膚の炎症を起こす可能性があり、肝斑の増悪のリスクがあります。

 

最後に

原因のある疾患の治療は、原因の除去につきます。

原因と病態を知ることで、治療方針は変わってくるので、シミの治療に迷ったときは専門家に相談することをおすすめします。